- ビットコインETFって何?
- どのような経緯で承認されたの?
- どこで買えるの?
こういった疑問を抱えている方はいませんか?
結論から言うと、ビットコインETFとは仮想通貨ビットコインの価格に連動して基準価格が変動する上場投資信託のことです。
株式と同じように、リアルタイムで取引ができます。
ビットコインETFは2017年から2021年にかけて申請を行い、カナダ・バミューダ・ブラジル・ドバイ・アメリカで承認されました。
上記の内容を解説するのとともに、本記事では、
- ビットコインETFはどこで買えるのか?
- 6種類の銘柄一覧
- 2025年6月における最新の動向
- 現物取引と違うメリットやデメリット
など、ビットコインETFについて網羅的に解説しています。
ビットコインへの新たな投資方法として注目を集めているため、仮想通貨に興味をお持ちの方はぜひ一度参考にしてみてください。
ビットコインETFとは?仕組みをわかりやすく解説

ビットコインETFとは、ビットコインの価格に連動して基準価格が変動する上場投資信託のことです。
仮想通貨業界における画期的な投資信託で、国内外から大注目を集めています。
まずは、ビットコインETFの仕組みをわかりやすくまとめました。
- 現物ETFと先物ETFの2つに大きくわけられる
- さまざまな仮想通貨で構成されている
- 取引は証券取引所と証券会社のルールに従う
「今までのビットコイン購入とは何が違うの?」と疑問を抱えている方は要チェックです。
現物ETFと先物ETFの2つに大きくわけられる
ビットコインETFは、以下の表のとおり現物ETFと先物ETFに分類できます。
項目 | 現物ETF | 先物ETF |
価格の連動先 | ビットコインの価格に連動 | 先物価格に連動 |
運用方法 | ビットコインを保有して運用 | ビットコイン先物契約に投資 |
承認の経緯 | 2024年1月にアメリカで承認 | 2021年10月にアメリカで承認 |
主な銘柄例 | IBIT(BlackRock):世界最大の資産運用会社が提供する現物型ETF | BITO(ProShares):米国で初めて承認された先物ETF |
ビットコイン現物ETFとは、ビットコインを保有して価格の動きに連動するETFのことです。
最初にビットコイン先物ETFが承認され、その約2年後にビットコイン現物ETFが承認されました。
さまざまな仮想通貨で構成されている
仮想通貨ETFは、ビットコイン単体ではなく、複数の仮想通貨を組み合わせたインデックス(指標)に連動するものもあります。
この点に関しては、東京証券取引所を中心とする金融商品取引所に上場している投資信託の株式ETFと同じです。
例えば、バミューダ証券取引所で始まったNasdaq Crypto Index(NCI)は、ビットコインやイーサリアム、ライトコインやチェーンリンクなど11種類の仮想通貨で構成されています。
取引は証券取引所と証券会社のルールに従う
仮想通貨の取引は、仮想通貨取引所のルールに従って行います。
一方でビットコインETFは証券取引所に上場している金融商品のため、取引を仲介している証券会社のルールに従うのが特徴です。
例えば、仮想通貨市場は24時間365日いつでも開いています。
早朝でも深夜でも、好きなタイミングで仮想通貨取引所の利用が可能です。
このように、ビットコインETFと仮想通貨現物の取引には大きな違いがあります。
なお、自由なタイミングで取引したい方は、仮想通貨取引所の利用を検討するのも一つの選択肢です。
詳細記事:「日本語対応の海外仮想通貨取引所10選」
ビットコインETF|承認までの経緯を解説

ここでは、ビットコインETFの申請や承認までの経緯を詳しく解説していきます。
- 2017年3月:ウィンクルボス兄弟が申請をするが、SECに却下される
- 2017年12月:CBOEに先物取引が上場を果たすが、申請取消が行われる
- 2018年3月:SECは9つの承認拒否を行う
- 2018年8月:SECが再審査開始を発表する
- 2019年1月:資産運用会社のBitwiseが申請する
- 2021年2月:4つの国で承認される
- 2021年10月:SECがアメリカでの取り扱いを承認する
- 2024年1月:SECがビットコイン現物ETFを承認する
↑202i年だけ◯月の表示がないですが、こちらは不明でしょうか?
2017年から2024年までの流れを順を追って見ていきましょう。
2017年3月:ウィンクルボス兄弟が申請をするが、SECに却下される
ビットコインETFが最初に申請されたのは、2017年3月のことです。
アメリカの仮想通貨投資家であるウィンクルボス兄弟は、SECに申請しました。
SECとは、証券取引を監督・監視している米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)のことです。
2017年12月:CBOEに先物取引が上場を果たすが、申請取消が行われる
9ヶ月後の2017年12月になると、シカゴ・オプション取引所(CBOE)にビットコイン先物取引が上場します。
ビットコイン先物取引とは、BTCを特定の価格で売買することを約束する取引のことです。
しかし、翌月の2018年1月にSECはビットコインに関する懸念点を発表し、4つのファンドによる申請が取り消されます。
2018年3月:SECは9つの承認拒否を行う
2018年3月になると、CBOEがSECに対してビットコインETFの承認要請を行いました。
CBOEに続き、他のファンドも続けざまに申請します。
しかし、SECはビットコインETFに関する9つの承認を拒否しました。
非承認になったビットコインETFのリストは、以下のとおりです。
- ProShares(2種類)
- Direxion(5種類)
- GraniteShares(2種類)
2018年8月:SECが再審査開始を発表する
2018年の8月には、SECに所属する上級幹部によってビットコインETFの再審査開始が発表されます。
SECの文書には、「委員会規定431に準拠し、当委員会は否決判断を再審査する」と記載されていました。

2019年1月:資産運用会社のBitwiseが申請する
翌年の2019年1月になると、世界最大規模の資産運用会社であるBitwiseが先物のビットコインETFを申請します。
Bitwiseの最高執行責任者は、「ETFはあらゆる信託を支援する極めて重要な黒子の役割を担っている」とコメントを残していました。
2021年2月:4つの国で承認される
2年後の2021年になり、カナダでビットコインETFが承認されます。
資産運用会社のPurpose Investmentsは、カナダ規制当局から承認されたと2月11日に発表しました。
実際にビットコインとイーサリアムの通貨を使った取引が開始されました。
2021年10月:SECがアメリカでの取り扱いを承認する
2021年10月には、SECがビットコインETFの取り扱いをアメリカで承認します。
承認されたビットコインETFは、投資ファンド会社のProsharesが取り扱っているBITO(プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジーETF)です。

ビットコイン先物ETFの承認が市場に大きな影響を及ぼしていることがわかります。
2024年1月:SECがビットコイン現物ETFを承認する
2024年1月になると、SECはビットコイン先物ETFに加えてビットコイン現物ETFも承認しました。
今回承認された銘柄は11種類で、資産運用会社のブラックロックやアーク・インベストメンツが取り扱っているビットコインETFです。
ビットコインETFはどこで買える?

果たしてビットコインETFはどこで買えるのか、わかりやすく解説していきます。
- カナダ・バミューダ・ブラジル・アメリカ・ドバイで購入できる
- 2025年6月現在で日本では直接購入できない
- 将来的に日本で承認される可能性は低い
日本に住みながらビットコインETFに投資できるのか知りたい方は、ぜひ一度参考にしてみてください。
カナダ・バミューダ・ブラジル・アメリカ・ドバイで購入できる
ビットコインETFは、2025年6月14日時点で以下の5ヵ国で購入できます。
- カナダ
- バミューダ
- ブラジル
- アメリカ
- ドバイ
2025年6月現在で日本では直接購入できない
2025年6月現在で、ビットコインETFは日本の証券会社で取り扱っていません。
日本で購入できないのは、金融制度全般に関わる行政機関の金融庁に承認されていないのが理由です。
アメリカでの承認を受けて、国内の証券会社や信託銀行でもビットコインETFに関する議論が活発になりました。
特定資産にビットコインを組み入れるには、制度自体の変更が必要不可欠です。
将来的に日本で承認される可能性は低い
将来的に見てみると、日本国内でビットコインETFが承認される可能性は限りなく低いのが現状です。
日本の場合は海外と違い、投信会社やアセットマネジメント会社がビットコインETFの市場上場を目指すアクションを行っていません。
アクションがなければ報道の機会もないため、取り扱いの行方は不明です。
なお、現時点では日本でビットコインETFを直接購入することはできませんが、仮想通貨そのものに投資したい方は、仮想通貨取引所の利用を検討するのもひとつの方法です。
なお、2025年6月現時点では、日本でビットコインETFは直接購入できませんが、仮想通貨そのものに投資したい場合は、仮想通貨取引所を利用するのも一つの手段です。
特に海外取引所は取り扱い銘柄やサービスの選択肢も豊富なので、気になる方は以下の記事も参考にしてみてください。
詳細記事:「【日本人向け】海外仮想通貨取引所15選」
【6種類】ビットコインETFの銘柄一覧

以下では、ビットコインETFの主要銘柄6種類と、大まかな特徴についてまとめました。
ビットコインETFの銘柄 | 特徴 |
---|---|
アイシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT) | 世界最大級のブラックロックが運用。資産規模が大きく、流動性も高い現物ETF |
フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン(FBTC) | 信頼性の高い会社、フィデリティが運用。実績ある運用元で安心感のある現物ETF |
グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC) | 現物ビットコインと連動する最古のETF。流動性は高いが、手数料がやや高め |
インベスコ・ギャラクシー・ビットコインETF(BTCO) | 現物ビットコインを保有するETF。運用コスト(手数料)が低く、初心者におすすめ |
アーク・21シェアーズ・ビットコインETF(ARKB) | ARKインベストと21シェアーズが共同で運用。手数料が低く、現物ビットコインと連動するETF |
プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジーETF(BITO) | 米国初のビットコイン先物ETF。流動性が高く、売買しやすいところが魅力 |
流動性が高かったり運用コストが低かったりと、ビットコインETFの銘柄によって特徴が異なります。
【2025年6月】ビットコインETFにおける最新の動向

2025年6月現在で、ビットコインETFにおける新たな動きがありました。
シカゴにある取引所のNYSE Arcaは、6月4日にTruth Social Bitcoin ETFの規則変更案をSECに提出しています。
Truth Social Bitcoin ETFは、トランプ大統領のSNSプラットフォームである「Truth Social」を運営するTMTGが発表した金融戦略の一環です。
提供予定の投資商品は、ビットコインに加えて複数のアルトコインで構成されています。
また、2025年6月7日には、マネックスグループ会長の松本大氏が「ビットコインETFの導入は日本の経済成長にとって重要」とのコメントを残していました。
近い将来、日本でもビットコインETFを購入できる日が来るかもしれません。
ビットコインETFのメリット

ビットコインETFには、以下4つのメリットがあります。
- 既存の証券取引所で購入できる
- 仮想通貨の社会的信用が高まる
- 売りから入る信用取引ができる
- 税制面で有利になる可能性が高い
ビットコインの現物取引とどのような違いがあるのか見ていきましょう。
既存の証券取引所で購入できる
ビットコインを購入するには、仮想通貨取引所の口座を開設しなければなりません。
一方でビットコインETFは、証券口座を持つだけで簡単に取引できます。
つまり、ビットコインETFは投資家が購入しやすい金融商品だといえるでしょう。
仮想通貨の社会的信用が高まる
ビットコインETFの浸透によって、仮想通貨全体の社会的信用が高まる可能性があります。
未だに仮想通貨に対して、「怪しい」と感じている方は少なくありません。

仮想通貨はまだ怪しい。
でも、“今の通貨”が安全だとも限らない。
引用:X
取引の透明性やセキュリティの確保など、ビットコインが認められたことの裏付けです。
売りから入る信用取引ができる
ビットコインETFは、株式のETFと同じように信用取引ができます。
信用取引とは、証券会社から株式を借りて売却し、あとで買い戻して返済する取引のことです。
売りから入れるようになれば、ビットコインの価格が下落している局面でも取引が成立しやすくなります。
税制面で有利になる可能性が高い
ビットコインとビットコインETFは、以下のように税制面での違いがあります。
- ビットコインの利益⇒雑所得に分類される
- ビットコインETFの利益⇒譲渡所得に分類される
雑所得は、利益が出るほど税金が高くなる総合課税(税率15%~55%)です。
詳細記事:「ビットコインの税金はいくらから申告?」
ビットコインETFのデメリット


ビットコインETFは新たな投資方法として注目を集めていますが、以下3つのデメリットがあります。
- 取引の時間が限られている
- 通常のETFと同様に手数料が発生する
- 現物ビットコインの所有権がない
どのような投資スタイルにもリスクはつきものなので、正しい知識を持っておきましょう。
取引の時間が限られている
ビットコインETFは、24時間365日好きなタイミングで取引できるわけではありません。
証券取引所が稼働している時間にしか取引できないところがデメリットです。
例えば、日本でビットコインETFが承認されたとして、東京証券取引所で取引を行うと仮定します。
通常のETFと同様に手数料が発生する
ビットコインETFの運用には、管理手数料が発生します。
管理手数料とは、自分の代わりにビットコインを運用してくれるプロに支払う手数料のことです。
ビットコインの現物取引の場合、基本的には入出金手数料やスプレッドしか発生しません。
現物ビットコインの所有権がない
証券会社を経由してビットコインETFを購入しても、現物ビットコインの所有権はありません。
あくまでもビットコインの価格に連動する金融商品なので、ビットコインの特性を活かせないのが大きなデメリットです。
例えば、ビットコインネットワークを利用した送金には対応できません。
ビットコインETFに関してよくある質問


ここでは、ビットコインETFに関してよくある質問をQ&A形式で解説していきます。
- 楽天証券での買い方は?
- SBI証券での買い方は?
- ハッキングのリスクはある?
まとめ
当記事では、ビットコインETFについて詳しく解説しました。
本記事のまとめポイントはこちらです。
- ビットコインETFとは、ビットコインの価格に連動して基準価格が変動する金融商品(上場投資信託)のこと
- ビットコインの価格に連動する現物ETFと、先物価格に連動する先物ETFの2種類にわけられる
- 2021年にカナダ・ブラジル・バミューダ・アメリカ・ドバイで承認された
- 2025年6月時点で5ヵ国で買える(日本では購入できない)
- ビットコインETFの主要銘柄は全部で6種類
- マネックスグループ会長は、ビットコインETFが日本の経済成長に必要だとコメントを残す
- 「証券取引所で購入できる」「仮想通貨の信用が高まる」などのメリットあり
- 「取引時間が限られている」「管理手数料が発生する」などのデメリットあり
ビットコインETFは将来的に日本で承認される可能性があるので、本記事を参考にどのような投資方法なのか把握しておきましょう。