- 仮想通貨のテクニカル分析は意味ないの?
- テクニカル分析の種類・やり方は?
- おすすめのツールは何?
こういった疑問を抱えている方はいませんか?
結論から言うと、「仮想通貨投資においてテクニカル分析は意味ない」は間違いです。
決して万能ではありませんが、テクニカル分析には以下のメリットがあります。
- トレンドやチャートを分析することで価格を予測できる
- エントリーのタイミングを見極めやすくなる
- 損切りのラインを把握して損失を最小限に抑えられる
- 取引において感情抜きの判断ができるようになる
相場全体やトレンドを判断するにあたって、テクニカル分析は欠かせない存在です。
上記の内容を解説するのとともに、本記事では、
- 仮想通貨のテクニカル分析3種類
- テクニカル分析の基本的なやり方
- おすすめのツールやアプリ3選
- 初心者に効果的な勉強法
- 分析を行う上での注意点
など、テクニカル分析について網羅的に解説しています。
これから仮想通貨取引を始める予定の方は、ぜひ一度参考にしてみてください。
仮想通貨テクニカル分析は「意味ない」は間違い!4つのメリット

「仮想通貨は値動きが激しいから、テクニカル分析は意味がない」と言われることもありますが、これは大きな誤解です。
仮想通貨市場においても、テクニカル分析は売買の判断材料として十分に機能します。
そもそもテクニカル分析とは、過去のチャートや取引量をもとに、将来の価格変動を予測する手法のこと。
以下では、仮想通貨におけるテクニカル分析のメリットを4つに絞ってわかりやすく解説します。
- トレンドやチャートの分析で短期的な変動予測に役立つ
- エントリーのタイミングを見極めやすくなる
- 損切りのラインを把握して損失を抑えられる
- トレンドの勢いや値動きの分析で、感情抜きの判断ができる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
トレンドやチャートの分析で短期的な変動予測に役立つ
仮想通貨のテクニカル分析では、トレンドやチャートパターンの分析が必須です。
その結果、価格の短期的な変動予測に役立ちます。
株式やFXなどの金融商品と比較してみると、仮想通貨はボラティリティ(価格変動の激しさを表す指標)が大きいのが特徴的です。
エントリーのタイミングを見極めやすくなる
テクニカル分析を行うことによって、トレンド(傾向や変化)を視覚的に把握できます。
仮想通貨の価格情報をグラフやチャートで表現し、直感的に理解しやすくなるでしょう。
そうすると、買い時や売り時など、エントリーポイントを見極められるようになります。
仮想通貨におけるエントリーポイントとは、取引を始めるタイミングのことです。
損切りのラインを把握して損失を抑えられる
仮想通貨取引における損切りとは、保有している通貨が値下がりして損失が発生している状態で、売却して損失を確定させることです。
価格の下落によるさらなる損失拡大を防げるのがメリットで、FXや株式でもよく使われています。
テクニカル分析は買い時や売り時を見極められるため、損切りラインの把握にも役立つでしょう。
なお、「頻繁な売買は苦手」「相場に張り付かずに仮想通貨を運用したい」という方は、仮想通貨を預けて報酬を得る“ステーキングという方法もあります。
安定的な運用を検討している方は、以下の記事もぜひご覧ください。
トレンドの勢いや値動きの分析で、感情抜きの判断ができる
仮想通貨のテクニカル分析でトレンドの勢いや値動きを把握すると、感情抜きの判断で取引できるようになります。
感情に左右されて仮想通貨の購入や売却を行い、大きな失敗をしている方は少なくありません。

仮想通貨の世界では「感情」が天敵です 🎯
暴落時:「終わった…売ろう」→その後高騰
高騰時:「もっと上がる!買おう」→その後暴落
私も最初は感情で取引して失敗しました😱
引用:X
仮想通貨のテクニカル分析は大きくわけると3種類


仮想通貨のテクニカル分析は、チャートを見る観点や項目によって以下3つの系統に分類できます。
- トレンド系分析:値動きの傾向を分析する
- オシレーター系分析:投資家の心理を推察する
- フォーメーション分析:チャートで値動きを予測する
どれも投資判断の材料として活用できる点では同じです。
それぞれのテクニカル分析が一体何を指しているのか見ていきましょう。
トレンド系分析:値動きの傾向を分析する
トレンド系分析は、チャートに見られる値動きの流れや傾向を分析する手法です。
仮想通貨市場における全体的な価格動向を把握できます。
値動きの傾向を大きくわけると、次の3つです。
- 上昇トレンド:高値と安値を切り上げながら全体的に右肩上がりで上昇する状態
- 下落トレンド:高値と安値を切り下げながら右肩下がりで下降していく状態
- レンジ相場:一定の範囲内で価格が上下に変動している状態
例えば、上昇トレンドのときは、一般的に「買い」のタイミングだと判断できます。


逆に下落トレンド時は、「売り」のタイミングだと考えて大丈夫です。
トレンド系分析で値動きを読み解くことで、無駄な取引を避けて利益を最大化する助けになります。
オシレーター系分析:投資家の心理を推察する
オシレーター系分析は、投資家の心理を読んで買い注文や売り注文の偏りに着目する手法です。
相場のトレンドとは違い、市場における「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」の状況を把握できます。
オシレーター系分析では、買い注文または売り注文が殺到しそうな予兆を判断します。
オシレーター系分析で使われる主な指標は、以下のとおりです。
- ストキャスティクス:現在の価格を過去と比較し、どの位置にあるのかパーセンテージで表示する指標
- RSI:一定範囲内の値上がり幅と値下がり幅をもとに、市場の過剰購入や売却の状態を示す指標
- MACD:短期や長期で移動平均線の差をグラフ化し、市場の方向や転換点を示す指標
トレンドが見られないときに、オシレーター系分析が有用だと考えられています。
フォーメーション分析:チャートで値動きを予測する
フォーメーション分析は、チャートを形で捉えて値動きを予測する手法です。
過去に同様のパターンが現れたときの値動きを参考にすると、同じような傾向を示すと考えられています。
仮想通貨の値動きをグラフ線で結んだときに見られるパターンは、以下のとおりです。
- ダブルトップ:上昇トレンドの天井を示す
- ダブルボトム:下落トレンドの底を示す
- ヘッドアンドショルダー:3つの山と2つの谷で示す
- 三角持ち合い:レンジ相場の期間がしばらく続く
【初心者向け】仮想通貨取引におけるテクニカル分析の基本的なやり方


ここでは、仮想通貨取引におけるテクニカル分析の基本的なやり方をご紹介します。
- 「ローソク足」や「抵抗線と支持線」などのチャートを確認する
- 移動平均線(MA)を使って価格のトレンドを見極める
- 価格が下がりにくいポイントと上がりにくいポイントを見つける
- インジケーター(指標)で価格の動きを詳しく分析する
- これらの情報をもとに売買のタイミングを判断する
買い時や売り時のタイミングで迷っている初心者の方は、ぜひ一度参考にしてみてください。
「ローソク足」や「抵抗線と支持線」などのチャートを確認する
まずは、特定の仮想通貨における価格チャートを確認します。
例えば、「ローソク足」は、一定期間の相場における4本値を用いて1本の棒状にしたチャートです。


上昇局面で上値が抑えられた水準の抵抗線(レジスタンスライン)や、下落局面で下値が支えられた水準の支持線(サポートライン)も判断できます。
移動平均線(MA)を使って価格のトレンドを見極める
次に、移動平均線(MA)を使い、価格のトレンドが上昇中なのか下落中なのか見極めます。
移動平均線とは「Moving Average」の略称で、一定期間における価格の平均値をつなぎ合わせた折れ線グラフのことです。


ローソク足に絡むように描かれています。
価格が下がりにくいポイントと上がりにくいポイントを見つける
チャートを見て、価格が下がりにくいポイントのサポートラインと、価格が上がりにくいポイントのレジスタンスラインを引きます。
これらのラインを見つけることによって、価格の上限や下限を予測しやすくなるでしょう。
サポートラインは買いのタイミングを判断する目安、レジスタンスラインは売りのタイミングを判断する目安になります。
インジケーター(指標)で価格の動きを詳しく分析する
テクニカル分析では、インジケーターが役立ちます。
仮想通貨取引におけるインジケーターとは、価格の標準偏差を利用して相場の変動やボラティリティを視覚化する指標のことです。
例えば、チャートプラットフォームのTradingViewでは、幅広い種類のインジケーターが用意されています。


これらの情報をもとに売買のタイミングを判断する
最後に、これらの情報をもとにして、仮想通貨を購入するのか売却するのかタイミングを判断します。
テクニカル分析のステップを繰り返すことで、価格の動向を予測しやすくなるでしょう。
おすすめの仮想通貨取引所に関しては、以下の記事をご覧になってください。
詳細記事:「【日本人向け】海外仮想通貨取引所15選」
仮想通貨のテクニカル分析におすすめのツール・アプリ3選


仮想通貨のテクニカル分析には、以下のツール・アプリ3選がおすすめです。
- TradingView:チャートのカスタマイズ性が高く、プロ仕様の環境が整っている
- CoinMarketCap:直感的なインターフェースで価格動向を確認できる
- Coinigy:テクニカル指標が充実していて、アプリ内で直接取引ができる
どのツールも、基本的な機能は無料で使えます。
これからテクニカル分析を始める方は、ぜひ一度利用してみてください。
TradingView


ツール名 | TradingView(トレーディングビュー) |
運営会社 | TradingView Inc. |
主な機能 | ・チャート機能 ・インジケーターの同時表示 ・無制限の描画ツール ・最大5つのアラート設定 ・公開チャット |
操作性 | |
インジケーター | |
カスタマイズ性 |
TradingView(トレーディングビュー)は、世界中のトレーダーが利用しているチャートプラットフォームです。
チャートの外観やインジケーター、描画ツールをトレーダーの好みに合わせてカスタマイズできます。
テクニカル分析で仮想通貨の動向チェックや相場予測をしたい方は、TradingViewを使ってみてください。
詳細記事:「TradingViewの便利機能7選」
CoinMarketCap


ツール名 | CoinMarketCap(コインマーケットキャップ) |
運営会社 | N.Avenue株式会社 |
主な機能 | ・チャート機能 ・取引量の追跡 ・ポートフォリオ管理 ・ニュースや分析 |
操作性 | |
インジケーター | |
カスタマイズ性 |
CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)は、仮想通貨の時価総額・取引量・価格の推移などがまとめられているサイトです。
シンプルなチャート機能を提供しており、基本的なインジケーターなら無料で表示できます。
CoinMarketCapでは各取引所の取引高も確認できるため、仮想通貨の購入前に閲覧しておきましょう。
Coinigy


ツール名 | Coinigy |
運営会社 | Coinigy |
主な機能 | ・チャート機能 ・データの一元表示・管理 ・アラート機能 ・自動取引機能 |
操作性 | |
インジケーター | |
カスタマイズ性 |
Coinigyは、複数の仮想通貨取引所をひとつのプラットフォームで管理できる便利なツールです。
高度なチャート機能やテクニカル指標、アラート機能が充実しています。
仮想通貨のテクニカル分析に加えて、アプリ内での直接取引も可能です。
仮想通貨のテクニカル分析に効果的な勉強法4選


仮想通貨のテクニカル分析について勉強したい方には、以下4つの方法が効果的です。
- YouTube動画で視覚的にチャート分析を学ぶ
- 信頼性の高い情報が集まるWebサイトで学習する
- 本を読んで基礎から応用までを把握する
- SNS(X・Facebook)で最新の分析手法や事例を学ぶ
どれかひとつの方法ではなく、複数のやり方を組み合わせてスキルアップを目指しましょう。
YouTube動画で視覚的にチャート分析を学ぶ
仮想通貨のテクニカル分析を勉強するにあたって、YouTubeの動画視聴が最もおすすめです。
文字だけで学習するのとは違い、YouTubeの動画はリアルなチャート分析の様子を視覚的に学べます。
仮想通貨の専門家が解説する動画はもちろんのこと、しっかり稼いでいる有名な投資家の動画も閲覧してみましょう。
※仮想通貨・FX・株のチャートパターン一覧動画
信頼性の高い情報が集まるWebサイトで学習する
仮想通貨専門のWebサイトは、テクニカル分析の学習に役立ちます。
取引所の公式サイトや専門的なブログは、信頼性の高い情報が集まっているのでおすすめです。
ほとんどのWebサイトは、基本的に無料で閲覧できます。
本を読んで基礎から応用までを把握する
書店やAmazonでは、仮想通貨関連の本が販売されています。
書籍は、テクニカル分析の基礎から応用までを一貫して学べるところがおすすめポイントです。
書籍の選び方で迷ったときは、以下を基準にして購入しましょう。
- 仮想通貨の専門家が執筆している本
- 著名人がおすすめしている本
- 口コミやレビューの高い本
SNS(X・Facebook)で最新の分析手法や事例を学ぶ
SNSは、仮想通貨テクニカル分析の勉強に欠かせない存在です。
XやFacebookでは、リアルタイムで最新の分析手法や事例を学べます。
例えば、Xで「仮想通貨 テクニカル分析」と検索し、気になる人をフォローするのが良いでしょう。


仮想通貨のテクニカル分析を行う上での注意点


ここまでは、テクニカル分析が仮想通貨取引に役立つ点について解説してきました。
しかし、「確実に予測できる」「必ず利益が出る」など、万能な手法ではありません。
仮想通貨のテクニカル分析を行うにあたって、以下の注意点があります。
- 膨大なデータが生成されるため、情報の取捨選択が難しい
- 専門知識の蓄積や実践的な投資経験が必要になる
- 期待値(取引で期待される平均的な利益や損失)を考慮したトレードはできない
また、仮想通貨市場は著名人の発言や経済ニュースで価格が大きく変動するため、テクニカル分析だけで確実な将来予測は難しいと心得ておきましょう。
仮想通貨のテクニカル分析に関してよくある質問


まとめ
当記事では、仮想通貨のテクニカル分析について解説しました。
本記事のまとめポイントはこちらです。
- 仮想通貨のテクニカル分析には、「短期的な変動予測に役立つ」「エントリーのタイミングを見極めやすくなる」などのメリットあり
- トレンド系分析・オシレーター系分析・フォーメーション分析の3種類に大きくわけられる
- 基本的なやり方は、「チャートの確認」⇒「トレンドの見極め」⇒「サポートラインとレジスタンスラインを引く」⇒「インジケーターで分析」⇒「仮想通貨の購入」という流れ
- TradingViewやCoinMarketCap、Coinigyなどのツール・アプリがおすすめ
- YouTubeの動画やSNS(X・Facebook)で勉強するのが効果的
- 専門知識や実践的な投資経験が必要なため、初心者が使いこなすにはハードルが高い
本記事を参考にしてテクニカル分析のやり方を把握すれば、仮想通貨を計画的に運用できます。
ただし、100%完璧な予測はできないため、あくまでも参考程度に留めて取引を行ってください。