マトリックスの夜明け

砂漠の冒険


〜B区〜

Episode 5「Desert Adventure」2

ユウチンは目の前の砂漠を見てクインに問いかけた。「どうしてここには誰もいないんだ?」

クイン「冗談言うなよ、こんなとこに人が住めるのか?」

ユウチン「じゃあ、どうやって羊の皮を見つけるんだ?」

クイン「わからない」

ユウチンがクインを置いて行こうとした。クイン「羊の皮はどうするんだ?」

ユウチンは振り返らずに言った。「ナイトに風を送るよう伝えて。彼女はAIだから生きられる」

Episode 5「Desert Adventure」3

クインはユウチンを賢いと思ったが、ふとその言葉を思い浮かべて言った。「どうしてナイトが僕だちの仲間だと思うんだ?」

ユウチンは軽蔑したように笑った。「どうだろう、彼のところに行けばいいのか?馬鹿野郎」

〜O区〜

ユウチンは目の前の風を見つめて言った。「イメチェンしてあげるよ?」

風は首を横に振った。「やめて」

Episode 5「Desert Adventure」4

ユウチンは手を振って言った。「それなら好きにして。どうせメインフレームは壊れてるんだから」

風はチェスをしているクインとナイト、プログラムを書いているユウチンを見て、何度も躊躇った。

風はゆっくりと話した。「やってみるよ」

Episode 5「Desert Adventure」5

ユウチンは風を見上げながら「よし、書き終わるのを待っててね」とホッとして笑った。

ユウチンが書き終えて風を変身させ始めた。クインとナイトはまだチェスを続けている。

〜2日目〜

Episode 5「Desert Adventure」6

B区に到着した一行。クインは目の前に飛んでくる風と塵を見て尋ねた。「風は一人で来た方がいいんじゃないか?昨日変身したばっかだろ?どうして僕たちを巻き込むんだ?」

ユウチンはクインの後頭部を強く叩いた。「ばかか、彼女はAIなんだ。俺たちがいないところで彼女に何かあったらどうするんだ? 怠けようとするな」

Episode 5「Desert Adventure」7

クインはめげない。「それで彼女を変身させたんでしょ?同行させる意味はあるの?」

手にしたコンパスに目をやるユウチン「常にまともな人が必要だからだ。ここは何か変だ。目的に出会った時に導いてくれる人が必要で、風は特に適している」

クインは文句を言わず、一行は砂漠の探索を始めた。突然ナンが現れ、ユウチンを見て言った。「なんだよ、何の用だ?」

ナン「羊の皮は私が焼いたけど、まだ探しているのか?」

ユウチンは平然と首を傾げた。「焼いたら焼いたでいいんだ」

Episode 5「Desert Adventure」8

ナンは自分が無視されているのを感じて少し怒った。「まあいい、一緒に焼いてやろうか」

ユウチンは顔を上げた。砂漠の空が自分の仕事をクビになったあの雨の夜のように変わり始めた。少しめまいがした。ナンの後ろにはどんどん人が増えていった。ユウチンはクインを引き戻して弱々しく言った。「俺を連れて行け。風とナイトが何とかしてくれる」

クインはユウチンを抱き上げ、立ち去ろうとしたところをナンが見ていた。

ナン「行くのか?」

Episode 5「Desert Adventure」9

ナンはクインの後ろにいるユウチンを引き戻し、地面に強く叩きつけた。「調べるなと言っただろう?どうして聞かないんだ?」

ユウチンはナンを見上げながら「なに?本当に陰謀があるのか?」

ナンは足を上げてユウチンの顔を踏みつけた。クンは他の人に巻き込まれて出られなくなった。

ナン「死にたくないだろ?」

Episode 5「Desert Adventure」10

ユウチンは微笑んだ。「ああ、くれるのか?」

ナン「あげない、私の幻影に毒されているんだ、ゆっくり楽しめばいい」

ユウチンは突然立ち上がり、ナンを引きずり出し揉み合いを始めた。ユウチン「無職の人間に手を出さないでくれるかな、不快だ」

ナンは不思議に思った。「毒が入っていないのか?」

Episode 5「Desert Adventure」11

ユウチン「大切なのは心だ。歳をとって、お前に出会ったことが唯一の悩みだ」

ナンは弱音を吐かず「私もあなたに出会えて運が悪かった」と言い返した。

やがてクインの方が落ち着くとユウチンのところに来た。ナンがやられている。ユウチンは砂漠に横たわって息をひそめていた。クインはユウチンに手を差し伸べた。「行こう」

Episode 5「Desert Adventure」12

ユウチンは握りしめて立ち上がり、惨めなナンを見た。「これが終わったらO区に会いに来てくれ、待ってる」

ナン「私は行かないから、E区に会いに来てね」

Episode 5「Desert Adventure」13

一行はまた長い間歩いた。クインは目の前に低い家が見えたので何も言わずに走った。ユウチンは止めようとしたができなかった。幸いなことに、風とナイトは微動だにしなかった。

ユウチンは風とナイトを見た。「動かないで、彼を行かせて様子を見よう」

風「もし彼が危険な目にあったら?」

Episode 5「Desert Adventure」14

ユウチンはコンパスを見ながら言った。忠誠を尽くして国に尽くし、年金も少しでいい。

風とナイトはこの時、内心でクインのことを思っていたが、ユウチンは続けた。「止めようとしたらいなくなった。それなら死んでも仕方ない」

案の定ほどなくして、低い家の中からクインの悲鳴が聞こえてきた。

風とナイトは前に出ようとしたが、一見平静を装う低い家を見てユウチンが言った。「風、行って見てこい、何かあったら出てこい、馬鹿な真似はするな」

その時、ユウチンの背後から突然クインの声がした。「愚か者は誰だ」

ユウチンは振り向きもせず言った。「お前はそれを手に入れて行け」

Episode 5「Desert Adventure」15

クイン「どうしてそんなこと知ってるんだ?」

ユウチン「俺は占い師でだから、行け、すぐナンにバレる」

クインは気づいた。「羊の皮を盗んだのか?」

ユウチンは笑った。「兵士は騙すことを恐れない」

〜O区〜

Episode 5「Desert Adventure」16

ユウチンが家の中で魔法の薬を混ぜると、色んな光が放たれる。混ぜた薬を3枚の羊の皮を縫い合わせた上に落とすと、羊の皮の端に特別なメモリーカードが現れた。カードをコンピューターに挿入すると次第に空中に絵が現れた。その絵はその年の真相と答えだった。

Episode 5「Desert Adventure」17

ナンが怒ってやってきて家の外から叫んだ「ユウチン、この泥棒め、よくも私のものを盗んでくれたな」

Episode 5「Desert Adventure」18

ナンは空中で攻撃を開始した。

ユウチンと風、クイン、ナイトはこの絵を見て、現実のインフレの世界でナンが果たした役割をおおよそ理解した。彼の後ろには誰もおらず、ずっと一人だった。

Episode 5「Desert Adventure」19

家も攻撃プログラムを組んだものの、長くは持ちこたえられない。ドアのところにいたホワイトタイガーも戦いに加わったがやはり持ちこたえられない。ユウチンは状況が良くないと見てクインにメッセージを送った。

Episode 5「Desert Adventure」20

ユウチン[ミャオティアンにメッセージを送れ、今こそ恩返しの時だ]

クインは頷き、すぐにミャオティアンへメッセージを送った。 

ユウチンはクインとナイトと風が皆出て行くのを見届けた後、家の中で最後の手続きを続けた。家が徐々に壊されていくのを見て、焦りながら書いていたが、すぐにナンが来た。ユウチンはメモリーカードを取り、すぐに濃硫酸溶液に放り込んだ。すぐに溶けて、ユウチンは次第に消えていった。

ナンは信じられない思いでユウチンが去るのを見送り、それを掴もうと近づいたが、何も掴めなかった。

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