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Chapters: Chapter 2

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目覚めてみたら、XANAマスターになっていた件

Reborn As A XANA Master

第2章
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Episode 19 19話「アストロヒューマンプランと心の在りか」
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by (JIRAIYA:著)
「ジャッキーさん、ちょっと聞いてほしいことがあるぺん」 「はい、なんでしょう?」 「よいたろうさんに、頼まれたことがあるぺん」 「よいたろうさんに? なんでしょう……」 「妹さんの病院にお見舞いに行けないので、代わりに誕生日プレゼントを届けてほしいと……ぺん」 「妹さん、病気なんですか? それは心配ですねー。で?」 「その病院というのが、鳥取県にある、アストロヒューマン医療センターってとこぺん……」 「アストロヒューマン――!」 「だよねー、ジャッキーさんが、この前言ってた会社に似てるぺん」 「そうですね。ジショさんのコネクションを使って調べて分かったことですが、リアルデビルズ社はマザーAIの開発に下請けを使っていました」 「それだぺん!」 「その会社の名前が、アストロヒューマンテクノロジー……」 「偶然の類似かもしれないけど、なんか珍しい名前だぺん」 「何か関係があるかもしれませんね。僕も一緒について行っていいですか?」 「うん、頼むぺん」   一ヶ月ほど前に遡る 「ねーねー、お兄ちゃん、誕生日に新しいアバター買うてよ」…

目覚めてみたら、XANAマスターになっていた件

Reborn As A XANA Master

第2章
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Episode 20 20話「挟撃の死闘」
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by (JIRAIYA:著)
前方のゴブリン、後方のスライム。 対応策を必死にめぐらす。 スライムのステータスを見る。 レベル1と2しかいないようだ。 攻撃は……噴射攻撃? なんだそれは――だが射程は二となっている。 近接の射程が一という数値なので、槍ぐらいの射程のようだ。 ちなみにゆっきーさんの突き銛は射程二、投擲銛は三だ。 噴射攻撃の攻撃力も高くはなさそうだ。 しかし問題は数の多さだ――。 既にざっと三十体は超えているし、今も俺が落ちた穴から這い出てきている。 スライムの群れはそのまま斜路を下り、こちらへ届く寸前だ。 ミサキも後方に向き直った。 斜め上方にセットしたウォータージェネシスも同距離でついてくる。 セットした位置で追尾してくるのは便利だ。 「マスター、矢の残数二本です!」 二本だけ――! おっと……それはまずい。…

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Reborn As A XANA Master

第2章
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Episode 21 21話「イブの主《あるじ》と少子化」
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by (JIRAIYA:著)
ゆっきーさんが最後のスライムを倒して、モンスターは一体もいなくなった。 倒したモンスターたちは、いずれも数分で破片となって空気中に解けていった。 ――パッパラパッパパー! 全モンスターが消えると、いきなりファンファーレが鳴り響いた。 全員ビクッとするが、同時に身体が輝きだした。 シャキィーン、シャキィーン、シャキィーン! 次々とレベルアップしていく。 全員レベル10になった。 どうやら戦闘が終了するまでは、レベルアップはしないようだ。 さすがにあれだけ倒して、トライアルブーストがあれば十ぐらい上がるか……。 HPなどのステータスが、みんなほぼ倍になっている。 しかし……。 「ありゃー、レベルアップ時の回復無いんだ」 ゆっきーさんが指摘するが、その通りだった。 気絶したままカエデもレベルアップしたが、マナどころか、HPも回復してない。 自然回復しているが、かなり遅い。 「みんな、手足の欠損とかはないか?」 俺は心配になって、身体の一部の欠損がないかを確認した。…

目覚めてみたら、XANAマスターになっていた件

Reborn As A XANA Master

第2章
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Episode 22 22話「ボス部屋と鳥かご」
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by (JIRAIYA:著)
地下第一階層の探索が終わり、ボス部屋が確認された。 ほかのモンスターは全くいなかった。 ボス部屋をクリアすれば、二階層に行けるのだろう。 宝箱からマナ回復ポーションが数本見つかった。 HPやスタミナ回復ポーションはなかった。 ほかには、ミサキが使える矢が十本と薙刀、ゆっきーさんが使える投擲槍が見つかったのは大きな収穫だった。 「あとはここのボスだけだな。ゆっきーさん準備はいいですか?」 「はい、俺もカナも、大丈夫です!」 「では、ヒメミ、カナちゃん扉を開けて」 「はい」 「はい」 二人が両開きのドアを開けた。 既にメタルジェネシスは盾に付与済みだ。 盾を押し出しながら突入する。 続いて、前回と同じ隊列で、二列目、三列目があとに続く。 そこは二十メートル四方はあるかと思われるホールだった。 奥には扉が一つだけある。 なぜか既に開いていて、階下への階段が見える。…

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Reborn As A XANA Master

第2章
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Episode 23 23話「合鴨戦法」
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by (JIRAIYA:著)
ゆっきーさんとカナは、階下への扉の前で警戒。 俺とボタモチさんは、ボス部屋の入り口のドアに耳をあてる。 だが、分厚い扉に阻まれているからか、何も聞こえない。 「あっ、狼犬に聴音スキルある」 ボタモチさんの狼犬に、聴音スキルが備わっていたようだ。 スキルを発動すると飼い主にダイレクトに聞こえるらしい。 「おお、聞こえる! かなり大人数の足音だね」 やはり誰かがオブロに入ってきたようだ。 「あっ、戦闘が始まったみたいです」 「俺とゆっきーさん、かなり苦戦したからな……」 「俺らも同じです。ユニオンの増援でしょうか?」 「今、ギルド本部で動けるのはリブさんと、ヤキスギさんだけなので……」 「くそっ! バスターペンギンの襲撃ですね」 ボタモチさんが悔しそうに言った。 おそらく彼もAI秘書を失っているのだろう。 「そうなんですよ。ジショさんたちは足をやられてます」 「となると、本部も心配ですね……」 「俺は寝落ちしていて運よく無事だったんです」…

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Reborn As A XANA Master

第2章
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Episode 24 24話「骨とちゃっちい罠」
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by (JIRAIYA:著)
「マスター、またどすか……」 「カエデ、私が通過したときはなかったのよ」 「えっ、そうだったのヒメミちゃん」 「マミね、今突然なんか床に出てきたの見た」 ドテッ――! 「痛ってーっ!」 後ろを振り返ると、ボタモチさんが転んでいた。 よかったぁ~、俺だけじゃないじゃん。 「全員注意して! 床下から突然何か出てくるから」 ヒメミが注意すると、全員が足元に注意を払った。 転ばせるだけのちゃっちい罠だから、被害はないけど……。 また後で発動する罠かもしれないからなあ。 だが、足元を見ている場合ではなかった。 「全体止まれ、第一列、防御態勢をとれ」 「サー、イエッサー!」 「前方から骨接近、全員警戒!」 えっ、骨? アヒル隊長が警戒を促す。…
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