Story– archive –
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目覚めてみたら、XANAマスターになっていた件
桟橋にボートが近づいてくる。 カエデは相変わらず、船首に仁王立ちして腕を振り回している。 操縦席に人影は見えるが、まだ誰かは分からない。 ゆっきーさんが、XANAメタバース内にログインしていることは確かだが、マップを開いても表示されないし、... -
目覚めてみたら、XANAマスターになっていた件
新しく設立された地下迷宮オブロは、ビーチからすぐ見える無人島に設置されている。 この島自体が新しく作られたワールドだ。 必要な装備を購入するため海岸通りのショップに立ち寄った。 ヤキスギさんにいただいたJXBカードでパッションソルトさんのオ... -
帰るべき場所
ソフィア:本日の業務、オールクリア。XANAへ意識が移行します。ボックス内へ入り、機器を装着してください。 私は、重い体をボックスに入れ、素早く機器を装着する。やる事をやれば、勤務時間は短く済む。この仕事唯一のやりがいだ。 ソフィア:機器の正... -
目覚めてみたら、XANAマスターになっていた件
「ぺんちょたん、なんで頭ついてんの?」 「はっ? リアムンちゃん、頭なかったら生きてないぺん――!」 「だってさぁ、XANAに頭おいてきたんだよねー」 「だから――」 そんないつもの会話から始まったのは、ギルドユニオンのオンライン・ゼーム会議だ... -
目覚めてみたら、XANAマスターになっていた件
ヤキスギさんが用意してくれたのは、背中合わせに背負えるおんぶ紐だった。 紐というより、リュックのようなイメージだ。 両手が自由に使えるのはありがたい。 ヤキスギさんとリブさんは、「そこまで送りますよ」と玄関まで見送りに来てくれた。 ギルドハ... -
帰るべき場所
ソフィア:ワークモード起動。管理人No.3709 XANA共通時間 AM10:00 より、肉体へ意識が移行します。安全な場所にて、待機してください。移行まで残り5分です。 私は、部屋のロックを確認し、椅子に座った。 ソフィアはよく通る声で続ける。 ソフィア:残... -
目覚めてみたら、XANAマスターになっていた件
「おおー、よいたろうさん、無事でしたか―」 ギルドの会議室に入ると、三人の仲間が迎えてくれた。 そこに居たのは、椅子に腰掛けたギルマスのジショさんと、XANAメタバースでフリースクールを運営しているチックタックさん。 そして、AIの胸元に頭... -
目覚めてみたら、XANAマスターになっていた件
声のする方を見た。 俺の手、といってもアバターの手だが、そこに縫い付けられているおじさんと目が合った。 リアムアバターは、XANAメタバース内では知る人ぞ知る大人気アバターだ。 本体は可愛い女の子のアバターだが、引きずるシリーズというのがあ...